ねる前に読みたい絵本『11ぴきのねこ』50年愛される猫たちの魅力

とらねこ大将を先頭に、いつも行動を共にする11ぴきのねこたちのゆかいな物語は、誕生からすでに50年!どこか人間くさくて、憎めないねこ達は、昔も今も変わらず、子どもたちに愛されつづけています。そんな11ぴきのねこたちが活躍する絵本はシリーズ全6作。どれも一筋縄ではいかない展開で、最後まで目が離せないお話ばかり。

今回は、寝る前に読みたい『11ぴきのねこ』シリーズの全作品のみどころをご紹介します。

絵本『11ぴきのねこ』シリーズとは


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10ぴきののらねこと、縞模様のとらねこ大将1ぴき、合わせて11ぴきが、仲良く、そして時にはずる賢く過ごす様子を描く物語です。その様子が妙に人間くさくて、たまに小さい子でもツッコみたくなるような悪さをしたりするところが笑えます。

また、どのお話もお決まりの展開がなく、結末もハッピーエンドとは限りません。悪いことをすると、しっぺ返しがきたり、ねこたちが仕返しするために作戦を立てたりと、次はどんな展開になるのか、大人でもワクワク出来る絵本です。


寝る前に読みたい『11ぴきのねこ』シリーズ

次の展開が楽しみになる『11ぴきのねこ』は全6作。どの作品も寝る前の読み聞かせにピッタリです。

文章量もそれほど多くなく、インパクトの強い絵で説明してくれるので、子どもも絵本に集中しやすく、落ち着いて絵本の世界に入っていけます。また、ねこたちの明らかな悪さを一緒にツッコんだりして、親子で楽しむことができるのです。

『11ぴきのねこ』シリーズ
作:馬場 のぼる
出版社:こぐま社
発売年:1967年~
価格:¥1,200+税

『11ぴきのねこ』 

(1作目/発売年:1967年4月)

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いつもおなかを空かせている11ぴき。お腹いっぱい魚を食べたいと、巨大な魚の伝説がある島に向かいます。なかなか姿を見せない魚ですが、粘り強くまっていると、とんでもなく大きい魚が現れました。11ぴきの力では適わないほど。惨敗した11ぴきは、身体を鍛えたり、作戦を練ってみたり…

しかしある時、島の上ですやすや寝ているあの大きな魚を発見!一斉に飛び掛って捕まえます。みんな溢れ出るヨダレを我慢して、持ち帰って自慢しようと約束するのですが…

一度は力負けして退散しても、諦めずに筋トレする姿が笑えて、最後のページの11ぴきの姿にも思わず吹き出してしまいます。発売から50年経った今でも色あせない魅力がいっぱいの1冊です。


『11ぴきのねことあほうどり』 

(2作目/発売年:1972年11月)

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コロッケ屋さんを開店させる11ぴき。最初は繁盛していたものの、日に日に売れ残りのコロッケが増え続け、それを毎日食べるのも飽きてしまうほど。鳥の丸焼きでも食べたいなと考えていたところに、偶然あほうどりのお客さんが現れます。丸々と太らせたいという下心もあり、売れ残ったたっぷりのコロッケで、もてなす11ぴき。

大喜びのあほうどりは、兄弟にも食べさせてあげたいとつぶやきます。その数なんと11羽!11ぴきは目を輝かせて、コロッケ作りをかってでます。そして気球に乗ってあほうどりの住む島へ。そこで待っていた11羽のあほうどり達は…

みんな期待していた鳥の丸焼きですが、そう簡単にはありつけない。欲深い11ぴきのねこらしい展開と、思わぬラストに笑ってしまいました。何事も欲張りすぎは良くないなという教訓を学べます。


『11ぴきのねことぶた』 

(3作目/発売年:1976年12月)

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トラックに乗って旅に出た11ぴき。あるところに誰も住んでいないボロボロの小屋を発見します。今夜の寝床にしようと、小屋をキレイに掃除すると、とらねこ大将が、ここを11ぴきの住処にしようと提案、みんなで住むことに。

そこに訪れたのは1ぴきのぶた。このへんにあるはずの叔父さんの家を探しているようでしたが、ここは11ぴきの家だと突き返します。仕方なく隣で自分の家を建て始めるぶたですが、途中で雨が降ってきて立ち尽くす様子を見て、かわいそうだと家に招き入れることに。そして11ぴきはぶたの家作りを手伝ってあげようと、みんなで張り切るのですが…

まさかの展開に驚きでした。さすが11ぴき。欲望のままに生きる姿が笑えます。けれど、悪いことをしたらちゃんとしっぺ返しがくるなんて。予想もしないストーリーで、大人も一緒に楽しめるお話です。


『11ぴきのねこ ふくろのなか』 

(4作目/発売年:1982年12月)

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みんなで仲良く遠足に出かける11ぴき。けれど道中、「はなをとるな」と書かれたお花畑で花を摘み、「はしをわたるな」と書かれた橋を渡って、「きにのぼるな」と書かれた木の上でお弁当を食べる始末。挙句の果てに、「ふくろにはいるな」と書かれた袋に入り、山に住む化物ウヒアハに捕まってしまいます。

ウヒアハのお城で働かされる11ぴきのねこたち。地下の牢屋で寝ている間に、何とか逃げ出す作戦を立てるのです。その方法とは…

やられらたら、やり返す!転んでもただでは起きない11ぴき。それまで破ってきた注意書き看板を見事に利用した仕返しと、最後のオチに感心。読むとスッキリすがすがしい気持ちになりました。


『11ぴきのねことへんなねこ』

(5作目/発売年:1989年12月)

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川で魚釣りをしている11ぴき。橋の上からこちらを見ている水玉模様のねこを発見。翌日、その水玉ねこは葉っぱを集めて、変わった形の家の汚れた部分に、葉っぱを貼り付けているではありませんか。ちょっと面白そうなので、11ぴきは手伝ってあげることに。喜んだ水玉ねこは、お礼に網いっぱいの魚を捕まえてやってきます。

聞くとその水玉ねこは、星の世界からやってきた宇宙ねこ!壊れた宇宙船を直すのを手伝った11ぴきは、その夜、宇宙船にこっそり忍びこんで、一緒に宇宙に連れて行ってもらおうとするのですが…

宇宙ねこがくれた星の世界の花火を楽しむ11ぴきの姿が圧巻です。まるでもう宇宙に行っているよう。果たして11ぴきは一緒に宇宙に行けるのか!?11ぴきの計画に気づかない宇宙ねこは、最後まで11ぴきに感謝している様子がとてもかわいらしいです。


『11ぴきのねこどろんこ』

(6作目/発売年:1996年10月)

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山小屋で仲良く暮らす11ぴき。ある日、恐竜の子どもが泥でジャブジャブ遊んでいるのかと思っていたら、どうやら崖から落ちておぼれていたのです。かわいそうなので11ぴきはロープを使って助けてあげます。

何日か経って、魚釣りをしていた11ぴきのもとにジャブは山のりんごを持ってやってきます。助けたお礼かと思ってもらうと、代わりに釣れた魚を持って行かれてしまって、11ぴきは大激怒!ジャブに仕返ししようと、罠をしかけることに。まんまと罠にかかって、退散するジャブですが、その後、姿を見せなくなってしまいました。そして1年経ったある日、久しぶりに姿を現したジャブは…

11ぴきがジャブの背中に乗って、泥んこまみれになってる様子が、とても楽しそう。シリーズを締めくくる最終作品にふさわしい、微笑ましいハッピーエンドで幕を閉じてくれます。


著者の馬場のぼる氏ってどんな人?

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『馬場のぼる ねこと漫画と故郷と』
作:馬場 のぼる
出版社:こぐま社
発売年:2017年
価格:¥3,000+税

漫画家としてデビューして、何気ない日常をテーマにユーモアを交えた優しい描写が人気となり、手塚治虫氏・福井英一氏と共に“児童漫画界の三羽ガラス”として君臨。その後、大人漫画の世界でも活躍し、漫画での世界観をそのままに、絵本の世界でも「オチ」や「笑い」を取り入れた作品を発表します。

中でも『11ぴきのねこ』シリーズは最初の作品から、6作目まで30年間の長きに渡り制作。現在でもその愛らしいキャラクターたちは親子2代に渡り愛され続けています。2001年永眠。

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まとめ

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  • 『11ぴきのねこ』は誕生から50年!
  • 人気シリーズ『11ぴきのねこ』は全6作
  • ねこたちのずるくて欲深くて優しい人間くさいところが魅力
  • 意外な展開とオチで大人も一緒に楽しめる作品ばかり
  • 寝る前の読み聞かせ絵本におすすめ!

『11ぴきのねこ』の絵本は、ユーモアたっぷりのお話で、どれを読んでも笑える絵本ばかりです。読み終えると、あー面白かったと、親子で楽しい時間を共有できるので、寝る前の読み聞かせに最適!

ぜひ、ねる前の絵本選びで迷ったら『11ぴきのねこ』の作品を選んでみてください!

では、おやすみなさい。


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