気の良いアイス屋さんのお兄さんこたろうが、まさかの地獄で大活躍する『じごくにアイス』。ナカオマサトシ氏の奇想天外な地獄でのお話と、澤野秋文氏の描くどこか気の抜けた鬼たちが笑える1冊です。
今回は、ねる前に読みたい絵本にぜひオススメの『じごくにアイス』の魅力をご紹介します!
『じごくにアイス』 作:ナカオマサトシ 絵:澤野秋文 出版社:ひさかたチャイルド 発行年:2020年5月12日 価格:¥1,300+税
あらすじ
おいしいと評判のアイス屋さんのこたろうが、いつものように公園でお店を開いていると、うっかり足をすべらせて気を失ってしまいます。目を覚ますと、そこは見たこともない川岸。白い着物を来た人がぞろぞろ…
そこに船でやってきた鬼の話では、エンマ様のところに連れて行かれるようで、ようやくここが地獄であることを悟ります。エンマ様のさばきを待つこたろうですが、どうやらそれどころではない一大事の様子。大火事のピンチに、こたろうも鬼たちと協力して火を消しました。
何とか火を消して疲れ果てた鬼たちとこたろう。こんな暑さを吹き飛ばすのに、得意のアイスを作ることをひらめきます!けどここは地獄。アイスなんて作れるのかな?こたろうは鬼たちを引き連れて材料を探すことにしたのですが…
ねる前に読むときココに注目!
お話の冒頭から、主人公のこたろうが地獄行きという衝撃のスタートですが、終始、緊張感に欠けるこたろうの様子と、憎めないキャラばかりの鬼たちが妙に愛らしく、舞台が地獄ということを忘れるくらい、ほっこりとした気持ちになりました。
注目すべきは地獄でのアイスの材料探し。どの材料も地獄で調達するのは命がけで、必死に集めるこたろうと鬼たちがアイス一直線という感じで、まぁ健気なこと。そのチームワークに何だか感動すら覚えました。
お話を読み終えても、背表紙をめくったところに「じごくのなかま」のキャラ紹介があり、実は細かく描かれていたキャラクターを絵本の中から探せるおまけ付き!
驚きは5歳の我が子が、おそらく難易度レベル最大であろう[ドラゴン]の場所を一瞬で言い当てたこと。お話を読みながら何となく気になっていて、最後に紹介されてスッキリしたそうです。読む度に発見があって何度も見返したくなります。
絵本の紹介動画も公開中!
絵本の詳細はナカオマサトシ氏の公式サイトを合わせてチェック!
https://nakaomasatoshi.amebaownd.com/
まとめ
- ねる前の絵本に『じごくにアイス』がオススメ
- 3才〜楽しめて、何度も読みたくなる1冊
- 地獄なのに怖くない、思わず笑っちゃう展開
- 探し絵のおまけ付きが嬉しい!
ラストまで目が離せない、みどころたっぷりの『じごくにアイス』は、子どものみならず大人も一緒に楽しめる作品です。ぜひ、ねる前の読み聞かせの1冊に選んでみてはいかがでしょうか。
では、おやすみなさい。
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