世界的ベストセラーとなった『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』ですが、表紙の劇画調のうさぎの絵が怖くて、手に取ったことがありませんでした。
今更ではありますが、寝る前に読みたい本を紹介するサイト立ち上げにあたり、このまま避けて通るのもいかがなものかと、ついに手に取ってみることに。
ちょうど今日で5歳になる我が子に効果はあるのか!?
誕生日で興奮気味のこの子どもを寝かせられたら本物だと、意気込んでベッドに入ると、意外な感じの結末を迎えることに。
『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』 著者:カール=ヨハン・エリーン 監訳者:三橋美穂 出版社:飛鳥新社 発売年:2015年11月12日 価格:1,296円+税
あらすじ
『おやすみ、ロジャー』のお話は、なかなか眠りにつくことができないうさぎの子・ロジャーが、眠れるようになるために試行錯誤して色んな人に会いに行く物語です。途中、我が子の名前を加えて読むところがあり、まるでうさぎの子と我が子が一緒に冒険に出かけているような展開に。
さまざまな登場人物の助言を受けて、だんだん眠れる予感がしてくるロジャー。そんなロジャーと一緒に、だんだん読んでいる子も眠たくなってくるのか、こないのか…
より効果的に読むためのポイント
表紙をめくってすぐに出てくるのは、読み聞かせをする人向けに読み方の説明が書かれています。大きくはこの4点。
- 太字は強調
- 【なまえ】のところに子どもの名前を入れて読む
- グレーの文字はゆっくり静かに読む
- 【あくび】の部分はあくびのマネ
普通に読むよりも、より効果を発揮できるとのこと。最初、すっ飛ばして読んでしまったので、お話の途中で前に戻って読み直すハメに。
また、その注意書きにはロジャーの名前を、ロー・ジーャーと分けて読むのも良いと書かれていましたが、原作が英語の本だから?自分で読むにはしっくりこなかったので、気にせずロジャーと読んであげました。
字が読めると気になる仕掛け
お話を読み進めていると、挿絵が全くなく、文字だけのページが出てきます。そして、お話の中で突然、自分の名前を読まれるときがあって、我が子もびっくり!
5歳児ともなると、ある程度、字を読むことができ、自分の名前が書かれた場所を必死で探していました。
そして【なまえ】という文字を見つけると、次に読むときは、お父さんの名前にしてほしい、という謎の要望が。
あなたもロジャーと一緒にいるのだと、事情を説明するも受け入れられず、結局、お父さんの名前で◯◯くんと読むことになりました。何がそんなに気にくわないのか。
まだ字が読めない子や、自分がお話に出てくるのが気にならない子もいると思いますので、反応は人それぞれといったところでしょうか。
効果大!たった7ページで、突然のおやすみ宣言
物語が進んでいくと、眠りたくなかったロジャーに、どうすれば眠くなるか、さまざまな人からアドバイスをもらいます。「あくびおじさん」や「おねむのカタツムリ」「ウトウトフクロウ」といった、一見不気味な登場人物。
挿絵がとにかく怖いのですが、そこは触れずに文字の強調やゆっくり読みをつづけていると…
突然
なんと
全24ページ中、7ページ読んだところで「もう眠たいから寝よっか」と子どもから言うではありませんか!!
これまでも長めの話を読んでいて、私が先に限界に達し、途中で寝てしまうことはあっても、子どもの方から途中で止めようと言ったのは初めて!
しかも、その後本当に静かに眠りはじめました。
親の予想に反する我が子のリアクション
絵本を読む前は、ベッドの中で読んであげていたら
「あらあら、いつの間にか寝ちゃったね。しめしめ。」
という展開を予想していたにも関わらず
実際のところは、わりと意識がはっきりした状態で子どもから
「もう眠たいから寝る」という宣言をされ、想定外の反応にこちらがオロオロ。
「あ、うん…。」と言ってみたものの、お話長くて聞くのが嫌になっちゃっただけで、どうせ、布団の中でコロコロして寝ないつもりでしょ?と思っていたら大間違い。
本当に、スッと寝てくれました。
おやすみロジャー、おそるべし。
続きを読んでも同じ反応
一晩では読み切れなかったため、数日後、続きを読むことにしました。
話の展開は大きくは変わらず、相変わらず眠るための方法を探しています。ただロジャーが話の当初よりはだんだん眠たくなってきた様子。
そして、ただただ話が長い。
似た展開ばかりなので、あまり話が頭に入ってきません。そこがこの本の良いところなんでしょう。深く考えさせることなく、ゆっくりと話は進んでいきます。
そして今回も、子どもの方から「そろそろ寝よっか」の一声で終了。
その後、絵本の続きすら読ませてもらえず、私がこの絵本を選んでも、他の絵本が良いと言われてしまいました。
結論:繰り返しは使えなさそう
絵本のレビューを見ると、「この絵本がお気に入りで、自分からコレを選ぶ!」「寝るのが楽しみになった」などの声もありましたが、我が家では子どもが絵本を気に入らず、残念ながら繰り返し読むことは無さそうでした。
子どもが気に入っていないのに、よく寝てくれるからと無理に読むことも出来ず、結局他の絵本を読んでいます。
なんと『おやすみ、ロジャー』の第2弾があった!
あれだけ話題になった『おやすみ、ロジャー』ですが、その後、『おやすみ、エレン』という、かわいい象のお話が発売されていたのをご存知でしょうか?
私のように、ロジャーの絵が苦手という方でも手に取りやすい、優しいタッチと色使いのイラストで雰囲気が前作と全く違います。これなら抵抗無く読みたくなりますね。
実はこちらの絵本の誕生には、日本の読者からのリクエストが反映されているそう。『おやすみ、ロジャー』は全世界で翻訳され、各国で大ヒットしたのですが、中でも一番売れたのが、何を隠そう日本。そんな日本で、やはり挿絵が怖いとの声が多く、今回の新たなお話には、可愛らしいイラストが採用されたようです。
『おやすみ、エレン 魔法のぐっすり絵本』 著者:カール=ヨハン・エリーン 監訳者:三橋美穂 出版社:飛鳥新社 発売年:2017年2月15日 価格:1,296円+税
続いて第3弾はオリラジのあっちゃんが初翻訳!
第3弾の『だいじょうぶだよ、モリス』はこれまでのおやすみ絵本とは違って、子どもが感じる苦手なものに対して、恐怖心や嫌悪感を抱かせなくする物語です。2児の父でもある、お笑い芸人のオリエンタルラジオ・あっちゃんこと中田敦彦氏が初めて翻訳に挑んだ絵本としても話題になりました。
虫が怖い、暗闇が怖い、苦手な食べ物がある、初めて行く場所が不安…などなど、子ども自身もそうですが、子育てしている親も苦労する場面でもあります。そんな場面で手助けしてくれる魔法の言葉が満載です。
『だいじょうぶだよ、モリス 「こわい」と「いやだ」がなくなる絵本』 著者:カール=ヨハン・エリーン 訳:中田敦彦 出版社:飛鳥新社 発売年:2018年9月14日 価格:1,296円+税
忙しいパパとママには朗読CDブックがおすすめ!
『おやすみ、ロジャー』の絵本を大人気声優の水樹奈々さんと中村悠一さんがそれぞれ朗読したCDブックもあるので、さらにおやすみ効果が期待できます!
くれぐれも、運転中の車中で流さないで下さいね!!
まとめ
- 興奮気味な子でも10分で寝た!
- 強調・ゆっくり・名前呼び・あくびに注意
- 我が家では1読して終了
- 第2弾、3弾にも注目!
- 人気声優の朗読CDブックも人気
世界中で売れているだけある『おやすみ、ロジャー』の効果を感じ、納得の結果でした。ただ残念なのが、繰り返し使えないというオチ。私が続きを読みたがりすぎたのが要因かもしれません。1度も読んだことがないという方には、試す価値がある1冊です!
我が家では、まだ『おやすみ、エレン』と『だいじょうぶだよ、モリス』を読んでいないので、ロジャーのことを一旦忘れた頃に、読んであげようと思います。寝る前に読む絵本選びにぜひお役立てください。