毎日食べている食べ物がどんなふうに消化され、体から出ていくのかを、これ以上ないほどにわかりやすく描いた絵本『たべもののたび』。
子どもたちにいつも大切なことを教えてくれるかこさとし氏による、からだの本シリーズの1冊です。子どもに寄り添った描き方で、体の中でのできごとを楽しみながら知ることができます。
今回は、ねる前に読みたい絵本にぜひオススメの『たべもののたび』の魅力をご紹介します!
『たべもののたび』 かこさとしからだの本 作者:かこさとし 出版社:童心社 発売年:1976年10月1日 価格:1,300円+税
あらすじ
私たちが毎日食べている食べ物にはたくさんの栄養が含まれています。食べ物たちがそんな栄養のトランクやカバンを持って、口に入り、体の中を旅する物語。
まずは桃色をした口のトンネル。よく噛んでつばと混ぜて、細い道を通り、胃袋公園へと進みます。その公園では食べ物を溶かす噴水が吹き出してきて、おかゆのような状態になります。
次に待ち受けるのは小腸公園のジェットコースター。そこでは上がったり下がったりの長い道のりの中で、栄養のトランクやカバンが食べ物から手放されます。
その後、大腸通りでは水分が絞り出され、残りのカスだけになって体の中から出てきて、食べ物の旅は終わりを迎えるのことになるのです。
ねる前に読むときココに注目!
文章量はそれなりのしっかりとした読み物ですが、とにかく噛み砕いて描かれていて子どもにもわかりやすい内容です。栄養=カバンに例えたり、公園やトンネルなど、楽しい旅をしている感が親しみやすく、それでいて内臓の役割分担がしっかりと伝わってきます!
恥ずかしながら、そんな体の仕組みを曖昧に覚えていた私自身も、この絵本を読んだとき、子どもと一緒になって素直に「へぇ〜そうなってたんだ〜」と感心してしまうほどでした。
体の中を通る食べ物ひとつひとつにも、細かな表情がつけられていて、大腸で水分を奪われてくっついている様子が愛らしくて笑えました。旅の終わりはスッキリ!
次に読みたい!かこさとし からだの本シリーズ
まとめ
- ねる前の絵本に『たべもののたび』がオススメ
- 4才〜楽しめて、大人も勉強になる1冊
- 食べ物の消化がわかりやすすぎる!
- 愛らしい食べ物たちの愉快な旅に注目
いつも子どもたちに大切なことをわかりやすく教えてくれる、かこさとし氏の絵本『たべもののたび』は、子どものみならず大人も一緒に楽しめる作品です。
自然と身につく教養とは、まさにこのこと!ぜひ、ねる前の読み聞かせの1冊に選んでみてはいかがでしょうか。
では、おやすみなさい。
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