ねる前に読みたい絵本『わにわに』妙なリアルさが笑えてかわいい!

幼児向け絵本の新星!わにわにのその渋い見た目と大胆な言動が、妙に心惹かれます。自分が子どもの頃に読んでいた懐かしさはないはずなのに、親世代の心までワシづかみにしてしまう、わにわにの魅力を徹底解説!
読み聞かせはもちろん、自分で読めるようになった子が読むにもちょうどいいボリュームで、親子で長く楽しめます。

全5冊あるわにわにシリーズの中から、ぜひお好みの1冊を見つけていただければと思います。

 『わにわに』シリーズ
 文:小風 さち
 絵:山口 マオ
 出版社:福音館書店
 本体価格:¥900+税 

妙に人間くさい わにわにの日常が面白い

わにわにシリーズは主人公のわにわにの日常を切り取ったお話です。わにわにが家でお料理する『わにわにのごちそう』や、夏の夜におまつりに足を運ぶ『わにわにのおでかけ』など、大きな事件が起きるというわけではなく、些細な日常を描いています。

なのに

とにかくおもしろい。

わにわにが住む家が昭和レトロを感じさせて、実家感がすごい。イメージでいうと、ちびまる子ちゃんの住む家のようなら昔ながらの平屋という感じです。そこに一人暮らししている わにわにが、妙にリアルに生活しています。


一見するとちょっと怖い!?版画絵で描かれるリアルな わにわに

なかなかリアルな見た目のわにわに。まさにワニって感じ。なのに2回重ねていうだけで、なんでこんなに親しみやすさが生まれるのか…

わに、わに、わにわに
小さい子でもつい口に出して言いたくなる不思議。

絵本売り場で初めてわにわにを見たとき

え…なんかこのワニ、可愛げないなぁ
子ども喜ぶのかなぁ…

と、失礼ながら感じていました。

絵本に出てくるワニといえば、ちょっと怖い存在だったり、逆にデフォルメされて、可愛いキャラクターになっているイメージでしたが、主人公なのにこんなにもワニ!?

とは思っていたものの、読んでみると非常に味わい深く、すっかりに。見た目の迫力とは裏腹な、気の優しいわにわにの言動にギャップ萌えですよ。けど、たまにワニ感出してくるときがありますので、そこがまた面白いんです!


細かな描写が版画とは思えない!その世界観に感動

版画でここまで細かく表現するの!?とページをめくるたびに思わされます。特に『わにわにのおでかけ』に出てくる縁日のシーン。たくさん並んだ提灯に書かれたお店の名前や縁日の様子が本当に詳細に描かれています。

また、わにわにの表情がとても豊かで、力強い版画の線とは裏腹に、繊細な表現が魅力的です。


どれもいいね!わにわに全シリーズをご紹介!

わにわにのおふろ

わにわにのおふろ/Amazonリンク              

発行日:2004年10月

おふろが大好きなわにわにが、おふろに入ります。本当にシンプル。なのにこんなに面白い!
まずは準備から。湯船にお湯を溜めます。お気に入りのロボットやあひるのおもちゃを浮かべて、いざ入浴。「じょろろーん!」ずるずりと移動する姿は、まさにわに。
だけど、おもちゃで遊んだり、石鹸の泡を飛ばしたり、シャワーヘッドをマイク代わりに歌ったりと、やってることはまるで子どものよう。
ゆっくりつかってあったまった後は、一番の見せ場の身体拭き。床に敷いたバスタオルに身体をすりつけて完了!風呂上りにジュースは格別のようです。


わにわにのごちそ

わにわにのごちそう/Amazonリンク              

発行日:2007年02月

お腹を空かせたわにわには、ずりずりとキッチンに向かい、冷蔵庫を開けます。そこにはなんと美味しそうな鶏肉が丸ごとゴロリ。早速フライパンでジュージューとお料理します。
お皿にちゃんと盛り付けて、レタスとプチトマトまで添えちゃって、フォークとナイフを構えて「いただきます!」と言った矢先に、がふっがふっむちゃむちゃと、鶏の丸焼きを一気食い。床に散らばった食器などお構いなしで、キバの間を鋭い爪でシーハーしだす始末。
このまま食後のお昼寝!?「あぁ しあわせな わにわに。」


わにわにのおでかけ 

わにわにのおでかけ/Amazonリンク             

発行日:2007年09月

ある夏の夜、なかなか寝付けないわにわには、外のがやがやした音に気がつきます。人の流れに沿って行ってみると、そこは夏祭りの真っ最中!気分が盛り上がってきたわにわに。
わたあめ食べて、お面を買って、金魚すくいに、極めつけは大きな花火。思う存分、満喫したわにわには、ようやく寝床につくことができました。
お布団に入っても指に付いたままのヨーヨーはいつの間にやったんでしょうか?出店のにぎやかな感じと、ダイナミックな花火がとても楽しく、わくわくする1冊です。


わにわにのおおけが

わにわにのおおけが/Amazonリンク            

発行日:2010年03月

わにわにが何やら、道具が散らばった部屋で工作を始めました。ダンボールの板を切って、切って…いてっ!!!ハサミで指まで切ってしまい、さぁ大変。血も吹き出してとっても痛そうです。わにわにも思わず涙が出るほど。
がんばって自分で薬を塗って、包帯で治療します。ぐるぐるぐるぐる、心配なので、さらにぐるぐるぐるぐる巻いているうちに、特大サイズの指になってしまいました。これで心配ないね、わにわに。
さっそく工作の続きを…こうして出来た作品は、何と手作りの携帯電話!得意顔で「もしもし」しているわにわにに、思わず吹き出してしまいます。


わにわにとあかわに

わにわにとあかわに/Amazonリンク            

発行日:2013年02月

ひとりぐらしのわにわにの家に、突如あらわれた小さなあかわに。はじめは戸惑いつつも、一緒に過ごすうちにだんだんと心を通わせていきます。一緒におやつを食べたり、遊んだりと、その姿がとても微笑ましいです。


わにわにのえほん5冊セット

わにわにのえほんセット/Amazonリンク             

発行日:2019年02月
本体価格: ¥4,500+税 

プレゼントにピッタリな全5冊セットです。まだ読んだことが無い方に、ドドンとまとめて贈りましょう。


わにわにの世界をもっと楽しむカードゲーム

わにわにのかるた

わにわにのかるた/Amazonリンク                     

発行日:2016年
本体価格: ¥1,200+税

絵本が大好きな子に贈りたいのが「わにわにのかるた」。まだ自分で絵本を読めなくたって、かるたを楽しんでいくうちに、自然にひらがなを覚えられるように。最初は「あ行」だけ、覚えたら「か行」を足して。すべてかるたのために描かれた絵札ということで、絵本を全て読んだ人でも、これまで見たことのなかったわにわにに出会うことが出来ます。

わにわにメモリーカード

わにわにメモリーカード/Amazonリンク              

本体価格:¥800+税
※対象年齢:3歳~

わにわにのカードを裏返して同じ絵を当てるカードゲームです。ひらがなを覚える前の子でも楽しむことが出来ます。絵本の中に出てくるアイテムが描かれたカードが22組!カードの裏面はなんとクロコダイル調!わにわにの身体を思わせる柄に、大人もグッときます。


わにわにの作者ってどんな人?

文:小風 さち/絵:山口 マオ

文章を担当する小風さち氏は、福音館書店が発行する「こどものとも」の初代編集長を父に持つ作家さんです。わにわにのお話を作るにあたり、静岡県にある熱川バナナワニ園に足を運んで、ワニの行動を観察。わにわにが移動するときの「ずる ずり」という擬音も、ワニの動きを見事に表現してくれています。

絵を担当する山口マオ氏は、木版画を中心に絵本や雑誌、イラストレーターとしても活躍。短い擬音や文章でも読者に伝わるよう絵で表現しきっているところはさすが。木版画ならではの力強いわにわにの姿が、子どものみならず幅広い世代の心に入ってきます。


わにわにと一緒に 良い夢を…

何度も読んだはずなのに、たまにまた読みたくなるのが、わにわにの魅力。我が家でも思い出したかのように、本棚から引っ張り出してくることがあります。寝る前に一緒に読むたびに、微笑ましい気持ちにさせてくれるわにわにに、すっかり癒され、気分も穏やかに。ハラハラドキドキするような展開はないけれど、そんな日常がいいよね。

まだこの魅力に気がついていない方に、ぜひオススメしたい絵本です!


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